一人花見酒

先週末より伊那谷の桜は満開を迎えた。野に山に街に、咲き誇っている。
今年は寒暖の差があり、まだ散らずにいる。花冷えということか。

当方花見の人の混雑がいやなので、毎年自宅の桜4本の花を見て
「今年も良くきれいな花を咲かせてくれた」と褒めてやっている。

ウィスキーを気に入っている江戸切子のグラスに入れ高く掲げ、
散りゆく花びらがグラスに入ってくれないかと試みるが、なかなか入ってくれない。

散り落ちた花びらを自らグラスに入れて一人花見酒。
前日の夕暮れ時には、ウィスキー&ソーダを作り、同じ様に飲んだ。

歳を取ってくると散りゆく桜が切なく愛おしく感ずる。
桜吹雪の中に身を置くのもいい。日本人に生まれてよかった。
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T. Ito