遠藤ケイ氏宅訪問
「雪国の暮らしは大変ですが、いいですよ」と遠藤さんに言われて
2月初旬、大雪が降らないことを願い、
新潟県三条市、旧下田村にある遠藤さんの自宅を訪ねた。
(遠藤ケイさん ノースフィールドHP 特別イラストエッセイはこちら)
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福島県境まで続く下田山塊の奥の集落より遠く離れた棚田の中に自宅はあり、
背後には粟ヶ岳、正面には守門岳が聳えている。
冬は大雪のため自宅まで車は入れない。
スノーシューを履きザックを背負い、雪の斜面を登る。
途中から薪ストーブの煙のにおいがしてきて嬉しくなる。
自宅は雪に埋もれている。
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遠藤さんが笑顔で迎えてくれる。
晩餐は味噌仕立ての猪鍋である。薪ストーブの上で煮込む。
雪の中に埋めておいた日本酒が美味い。
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遠藤さんの自作薪ストーブはビル建設用の角柱を使い、
いたるところが工夫されていてとても暖かい。
昨今の流行りの高性能外国製薪ストーブより暖かみと味がある。
とは言うものの、
当方の会社は薪ストーブ販売・施工を生業としているが、、、
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遠藤さんは通常、
来客がある時と我慢できない寒さの時以外は
薪ストーブを焚かないとのこと。
薪は放置された倒木や枝、間伐材を薪にし、
薪ストーブの薪のために木は切らない。
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日本酒からウィスキー、ジンに変わり、
世界を旅した辺境の地の民族の話、アイルランドの話、
ポリネシアの島の部族からもらった御守りの話。
何時間話をしても聞き飽きない。
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夜が更け、遠藤さんが自作した小さなログハウスで寝支度をする。
小さな自作の薪ストーブに火を入れてくれる。
心遣いが嬉しい。
この小屋で6年間暮らし、
雪に閉じ込められたこともあったが、
厳しくもあり楽しかったと言っていた。
外は杉の枝から時折雪が落ちる音以外、静寂に包まれている。
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翌朝、食前と食後に一宿一飯の恩義で雪堀りをする。
玄関が見えてきた
雪を掘っても掘っても終わらないが、
土間に明かりが差し込んできたのでお暇する。
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雪国の人たちは除雪のことを「雪堀り」「雪下ろし」と言う。
大変な重労働であり危険な作業である。
八木鼻を背に
遠藤ケイさんは私が尊敬する作家・イラストレーター・在野の民族学者であり、
遠藤さんと時々交流できることをいつも光栄に思う。
T. Ito
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・遠藤ケイさん ノースフィールドHP内 イラストエッセイ
「煖をとる人々」はこちらから
・遠藤ケイさん 公式ホームページ