山小屋

寝袋持参で、木曽 やぶはらスキー場の木立の中に建つ山小屋を訪ねた。

奈良県の社会福祉法人『青葉仁会』の理事長・榊原氏が
20年くらい前に自力で建てた山小屋である。

若い時、宮大工の老人から工法を教えてもらい、要所要所に役立ててあるという。

今日は3名でスキーに来ている。

私がなぜ楽しみに山小屋を訪れたか?
というと、今は滅多に手に入らない国産ウィスキーが小屋に置いてあるからだ。

サントリー響 17年、竹鶴 21年、その他スコッチシングルモルトの古酒。

まずは水で口をすすぎ、ストレートでそっと飲む。
香り、まろやかさが口の中に広がる。

その後、ウィスキーに2~3滴加水するとまた味も香りもよりまろやかになり、
ウィスキーが変わる。

あとは好みで水を足してウィスキーを楽しむ。
氷は入れない。

酒は大量に飲み酔えばいいというものではない。

ウィスキーの香りと共に、青葉仁会の沿革、障害を背負って生きる人たちのこと、

山、カヌー、フライフィッシング、スキーの話、

団塊の世代の紳士たちと飲むとウィスキーの味も増す。

そう言えば、薪ストーブ談義はなかった。

小屋を暖めているのは薪ストーブであって当然だろう。

私も薪ストーブのウンチクをしゃべるのは仕事だけで十分である。

外は雪が静かに降っている。寝袋に入り、朝までぐっすり。

理事長と事務長が夜中ストーブに薪を足しに来たことも気が付かなかった。

スキー場のリフトが動き出しだいぶ経ったので、
軽トラックの荷台にお二人を積み込み?ゲレンデまで送る。

3月は一緒にスキーをする約束をして別れを告げた。

T. Ito