棟梁
2017年1月3日
日頃懇意にしている木曽檜の本場・南木曽町の
大工の棟梁の加工場に立ち寄った。
木曽檜の香りが漂い、先々代から受け継がれた手斧(ちょうな)や
使い込まれた墨壺、鉋を使っていた。
今の住宅には必要のない物ばかりだと思う。
「若い頃は親方から曲尺でよく頭を叩かれて教え込まれた」
と温和に笑っていた。
木曽檜の一本一本の性格を見極めて、柱や梁になる。
木の持つ性格を熟知して見極めないといけない。
今このような職人は少なくなっているように思える。
「俺の作ったストーブにあたってくれ」と加工場の隅の鉄板ストーブに鉋屑で火を入れてくれた。
「これが最高のストーブだよ」と言ったら、
照れ笑いを浮かべていた。
時々顔を見に行きたくなる人である。